提出期限は過ぎたけど、算定基礎届についておさらいしてみる
社会保険労務士にとって、6月から7月は繁忙期と言われます。
その理由の1つが、算定基礎届の提出。
7月10日が提出期限なので、顧問先やスポットも含めて依頼が集中する時期なのです。
提出期限はすでに過ぎていますが、算定基礎届とはどんなものか、おさらいしてみます。
健康保険・厚生年金保険の保険料の決まりかた
会社を通じて役員や従業員の方が加入する健康保険・厚生年金保険の保険料は、「標準報酬月額」と呼ばれる等級によって決まっています。
実際の支給額に対して何パーセント、といった計算方法ではありません。
この等級は、月の支給額が残業代などで変動しても、毎月変わるわけではありません。
等級が変わるタイミングは主に次のようなときです。
- 加入したとき
- 固定的な給与が上下したとき
- 一年に一度の見直しのとき
加入のときに一度決まった等級は、しばらくそのままになります。
もし基本給や手当など固定的な給与が変わり、2等級以上の変動が起こるようなら、月額変更といって、等級を変更する手続きを行います。
そして、3つめの一年に一度の見直しが算定基礎届のことです。
年に一度、算定基礎届で等級の見直しをする
月額変更というのは、2等級以上の変動にならないと手続きを行いません。
また、固定的な給与が変わったときに行うので、残業代など変動的な給与がいくら増減しても、固定的な給与が変わらなければ、等級も変更しません。
そこで、年に一度は見直しを行い、月額変更に該当しなかった場合でも、ある程度実際の給与に合った等級にしようというのが算定基礎届です。
具体的には、4~6月の3ヶ月分の給与を届け出て、その平均額に対応する等級が決めることになります。
算定基礎届についてよく知らなくても、「4~6月の3ヶ月は残業をあまりしないほうがいい」などと聞いたことがあるかもしれません。それは、この時期の給与が保険料に反映されるからです。
なお、保険料が反映されるのは、9月分からとなります。
また、この等級の見直しは、将来の年金額にも反映されます。
まとめ
算定基礎届は、健康保険・厚生年金保険の等級を見直すための大切な手続きです。
提出せずにほったらかしにしておくと、「保険者算定」といって、勝手に等級が決まってしまいます。
実際の支給額とずれた等級になってしまうこともあるので、要注意です。
今年の分をまだ提出していない場合は、すぐに提出しましょう。