「従業員が働きやすいこと」をサービス利用の基準の一つに加えよう

旅館で休業日が広がっているそうです。

背景には深刻な人手不足があるとのことでしたが、従業員が働きやすくなるのはいいことだと思います。

従業員が働きやすい会社を応援するために、積極的にサービスを利用するのも一つの方法です。

目次

旅館で休業日の導入が広がっている

少し前の新聞記事で、最近、旅館で休業日の導入が広がっているというものを読みました。

紹介されていた取組みは、

  • 年間○日という休業日を設ける
  • 週のうち稼働率の低い曜日を休業日とする
  • 繁忙期明けで閑散期となる特定の日を休業日とする
  • 従業員本人の誕生日や家族との記念日を休暇とする

などでした。

年中無休でオープンしている宿泊施設でも、従業員が全員365日働き続けるわけではありません。シフト制によって、個人ごとの休日は確保されています。

個人ごとの休日が確保されているといっても、繁閑や従業員同士の兼ね合いで、曜日が固定されているとは限りません。シフトの発表も予約状況によっては直前になることもあるでしょう。

ここでいう休業日は旅館の休館日で、一斉に休み業務を停止する日のことです。

休業日を設ける背景には、深刻な人材不足があります。
記事によれば、全業種の有効求人倍率が1.38倍なのに対し、旅館などの接客・給仕の職業は3.97倍。

休日の勤務が多く、長時間労働になるため、仕事を探している人からは敬遠されてしまうようです。

休業日を設けることで得られる成果は、人材不足の解消+α

多くの人が休む土日休日や連休にこそ働かなくてはいけない、というのが常識であり慣習である宿泊業界で、固定で休める日があるということは、働く人にとって安心感が生まれます。休業日のない同業他社よりは、確実に選ばれやすくなるでしょう。

なぜなら、働く人にとって休業日があるというのは、

  • 生活リズムにメリハリがつき、心身共にリフレッシュできる
  • 家族や友人との時間を取りやすくなる
  • 予定が立てやすくなる

といったメリットがあり、個々人の生活を考えると、このメリットは決して小さくないからです。

さらに、記事によれば、

  • 従業員の意欲が向上し、旅行比較サイトの評価が高まった
  • 丁寧な接客が人気となり、客室の稼働率は95%以上

といった成果が現れている旅館もあり、人材不足の解消に加えて、あるいはそれ以上のプラスがあったことが伺えます。

従業員が意欲をもって働けるようになることでサービスが向上し、利用者から支持される結果につながったようです。

「従業員が働きやすいこと」をサービス利用の基準の一つに加えよう

わたしは記事を読んで、紹介されていた旅館に泊まってみたいなと思いました。
ほかの旅館と何か違いがあるか体感してみたいのと同時に、従業員が働きやすくなる取組みをしている会社というのに興味があるし、応援したいと思ったからです。

わたしたちが何か買ったり、サービスを利用したりするとき、その基準は、値段だったり、購入によって得られる内容だったりします。

でもどうせ同じ金額を払うならば、従業員が働きやすいとわかっている方を選ぶ、というのも、これからの消費の基準に加えてもいいのではないかと思いました。
支持する人が増えることで、いい取り組みがその会社や業界以外にも広がるかもしれません。

逆にいえば、モノやサービスの値段が極端に安く、そこで働く人がキツい思いをしていることが予想される会社のものを利用しない、ということも大切です。
少々の不便があったとしても(今回の例であれば、宿泊できない日があったとしても)、そういった会社の事業の継続に加担しないということが、働きやすい社会を作っていくことにつながると思うからです。

参考までに、記事で紹介されていた旅館は以下のとおりです。

加賀屋(石川県七尾市)
天空海遊の宿 末広(愛知県蒲郡市)
城山ホテル鹿児島(鹿児島県鹿児島市)
菱野温泉薬師館(長野県小諸市)
仙仁温泉岩の湯(長野県須坂市)※HPなし
滝の湯ホテル(山形県天童市)

まとめ

年中無休のイメージが強い旅館でも、人材不足を背景に休業日の導入が広がっていることを知りました。

旅館の利用者が旅館に期待することは、そこで快適な時間を過ごせることだと思います。快適な時間を過ごすには、心地いい接客が欠かせません。

そして、いい接客をするためには、そこで働く従業員自身の心にゆとりが必要です。

従業員が働きやすくなるような取り組みをしているところを応援する意味でも、サービス利用の基準に「従業員が働きやすいこと」を加えてもいいのではないかと思いました。

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