給与計算ソフトを移行するときに、移行前の給与データをどう保管するか

給与計算ソフトを新しいものに移行することがあります。

このとき、考えなくてはいけないことの一つに、移行前の給与データをどのように保管するかという問題があります。

目次

一年の途中で給与計算ソフトを移行するときに起こること

一年の途中で給与計算ソフトを切り替えることを考えてみます。

たとえば、8月から新しい給与計算ソフトを使うときは、

  • 1月から7月は旧ソフトで給与計算を行ってある
  • 8月以降は新ソフトで給与計算を行う

という状況になります。

この場合、

  • 支給控除一覧表
  • 給与明細書
  • 賃金台帳

などの給与データも、移行月を境に、それぞれ旧ソフト、新ソフトでできあがります。

そうなると、賃金台帳のようにある程度の期間を通じて作成したいものや、源泉徴収票など年間で作成したいものが作成できません。

これらをどうするかという問題が出てきます。

保管の方法は3つある

給与計算ソフトを移行する前のデータの保管方法は3つあります。

(1) 新ソフトに登録する
(2) 旧ソフトに保管する
(3) 旧ソフトから出力する

1つずつ見てみましょう。

(1) 新ソフトに登録する

旧ソフトで行った給与計算結果のデータを、そっくりそのまま新ソフトに登録するという方法です。

新ソフトで給与計算を行ったのと同じように給与データが作成できるなら、これが一番いい方法だと思います。

デメリットとしては、データ登録が面倒という点です。

2、3月など1年のはじめの方に移行時期がくれば、データ登録は少なくてすみますが、1年の終わりに移行時期がくるとその分データ登録の量が多くなります。

給与ソフトによっては、CSV形式でデータを取り込めるものもありますが、1ヶ月分ずつ給与計算を行う方法で登録するものもあります。

給与計算をやり直すのと同じことなので、負担は大きくなります。

移行後の給与計算ソフトでの登録方法を確認しておきましょう。

(2) 旧ソフトに保管する

旧ソフトで行った給与計算結果のデータを新ソフトに登録せず、そのまま置いておく方法です。

データ登録しない分、簡単です。

デメリットとしては、移行月を境にデータが分かれてしまうという点です。

移行月をまたぐデータが必要なときは、その都度給与計算ソフトの外で作成する必要が出てきます。

年間のデータが必要になるのは主に年末調整のときですが、税理士に依頼していたり、別ソフトで計算を行ったりする場合にはこの方法でもよいかもしれません。

(3) 旧ソフトから出力する

旧ソフトで行った給与計算結果のデータを、PDFやCSVなどの形式で出力しておく方法です。

旧ソフトの契約終了とともに、給与データの出力・閲覧ができなくなる場合は、この方法を取ることになるでしょう。

3つの方法から併用しよう

上に書いた3つの方法は、

(1) 新ソフトへの登録
(2) 旧ソフトでの保管
(3) 旧ソフトからの出力

の順番に、できるかどうかを確認しましょう。

「(1)新ソフトへの登録」ができるなら、したほうがいいと思います。その後のデータ出力の利便性が高いからです。

もしできない(しない)場合は、「(2)旧ソフトでの保管」か、「(3)旧ソフトからの出力」になります。

旧ソフトの維持費がかからず、そのままデータを置いておけるなら「(2)旧ソフトでの保管」でもいいでしょう。

「(3)旧ソフトからの出力」は(1)(2)のいずれも採用できない場合の最終的手段となります。

なお、(1)もしくは(2)を選択した場合でも、念のための保管方法として(3)は行った方がいいでしょう。

(1)新ソフトへの登録+(3)旧ソフトから出力
(2)旧ソフトでの保管+(3)旧ソフトから出力

のいずれかの方法でデータ保管しておけば、万が一新ソフトへの登録にミスがあったときや、旧ソフトに不具合があったときでも正確な給与データの確認ができます。

まとめ

給与計算ソフトを移行するとき、移行前のデータの保管方法は以下の3つがあります。

(1) 新ソフトに登録する
(2) 旧ソフトに保管する
(3) 旧ソフトから出力する

(1)→(2)→(3)の順にできるかどうかを確認してみましょう。

(1)(2)を採用する場合は、(3)も併用すると安心です。

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